11/19 学校だよりNo.7発行

学校だよりNo.6を配付いたしました。HP「お知らせ」→「学校だより」にもアップしました。下記をクリックしても読むことができます。どうぞご覧ください。以下、巻頭言を掲載いたします。
Click Please 星と稲R3-7

~巻頭言~
批判的思考(クリティカルシンキング)を働かせて
秋篠宮家の眞子様がご結婚のニュースがあったのは、先月26日のことでした。様々な事情があり、国民は祝意を素直に表することはできませんでした。その中で私が衝撃を受けたのは、結婚したお二人への批判、誹謗中傷でした。記事にあおられるかのように書かれたコメントの数々、そして、そのコメントに多数の「いいね」が付いていました。思想、表現の自由は尊重されなければならないと思いますが、敬意のないバッシングに匿名発信のSNSの闇の深さを感じました。こういった悪意のシャワーは、子どもたちをはじめ、皇室や人権、犯罪について理解の足りない者にも降り注がれます。子どもたちはどう受け止めたのでしょうか。様々な情報を冷静に受け止め、自分で判断し、考えをもって行動する力を養うには、メディアリテラシーを含めた教育が必要であることを改めて思います。

これから進むグローバル化、情報化、AI化の進む変化の激しい困難な時代を生き抜くためには、自ら考え、自らの判断で最適解を導かなければなりません。ですので、知識、技能に加えて『批判的思考』が必要と言われています。『批判的思考』とは、物事を批判的に見るという意味ではありません。問題に対して、確かな証拠に基づいて、客観的・多面的に考え、それを自ら吟味しながら、物事の答えを探る思考法のことです。先日行われたあおば学習発表会では、子どもたちがこれまで学習してきたことを発表しました。子どもたちは、教師や講師から話を聞いただけでなく、体験したり、自分で資料を探したりして問題解決を図ってきました。また、聞き手を想定することで、導いた答えの確かさを検討したり、相手に伝わるように発表を工夫したりしました。この学習過程が『批判的思考』の姿です。まだ十分でない発表も多かったと思いますが、こういった学習を重ねていくことが大切であると考えます。また、この『批判的思考』が生かされるのは学習面だけではありません。前述のように現代社会は、多様な価値観に立つ人がそれぞれの立場で異なる情報を発信しています。その膨大な情報から本質を見出す際に、客観的、多面的にアプローチし、自分の考えを吟味することが必要となります。逆に、その過程を経ずにわずかなニュースソースを鵜呑みにしてしまうことは危険だと言えるでしょう。

さて、来月から人権強調週間が始まります。人権侵害の最たるものはいじめですが、昨今いじめによる悲惨な事件を再び報道で見かけることが多くなりました。報道から加害者に追随する周辺者と行為を眺める第三者の存在が浮かんできます。(※ 燕の事件については詳しい情報を得ていませんので、分かりません。)その度に発生を許してしまった学校教育の無力さを改めて感じます。いじめは絶対に行ってはいけない行為であり、許せないことです。それを揺るがない核として、被害者の心に共感したり、いじめがもたらす様々な悲惨な事態を想像したりしながら、葛藤し吟味しながら自分はどう行動すればよいのか、それぞれの立場で『批判的思考』を働かせることが大切なのだと考えます。道徳や生活指導、情報教育とともに、日々の授業で子どもたちに深く考えさせる授業を行わなければ、と考えています。 

 

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