7/28 学校だより「星と稲」第4号発行
学校だよりNo.4を配付いたしました。HP「お知らせ」→「学校だより」にもアップしました。下記をクリックしても読むことができます。どうぞご覧ください。以下、巻頭言も掲載いたしました。
星と稲 R3-4
~巻頭言~
夏に伸びる
明日から子どもたちも楽しみにしている夏休みに入ります。長い休みですので、生活のリズムをくずさないよう、まずは規則正しい生活(早寝、早起き、朝ご飯)を心がけ、夏休みにしかできない挑戦をして、楽しい思い出をたくさん作ってほしいと願っています。
さて、今月の全校朝会で夏休み取り組む科学研究の例をいくつか紹介しました。その中で、夜行性のはずのカブトムシが昼間にも庭の木(シマトリネコ)にいることを不思議に思い、観察を行った埼玉の小学校4年生の男児柴田亮さんの話をしました。先日『朝日新聞』に載っていたので、記事をご覧になった方もいらっしゃると思います。この観察は2年間継続され、昼間に集まるカブトムシの実態を明らかにし、カブトムシの習性の常識を覆すものだとして、米生態学協会学術誌「エコロジー」に掲載されたそうです。亮さんは素朴な疑問をふくらませ、庭に来るカブトムシにアクリル塗料で印をつけ、膨大なデータをとり続けました。柴田さんの着眼点と粘り強い取組は称賛に値しますが、この研究には欠かせない支援者が2人います。一人は亮さんのお母さんです。亮さんは図書館でカブトムシ関連の本を片っ端から読みあさり、東南アジア産のシマトリネコにはカブトムシが昼間も残っているようだと書いてある本を見つけます。(この働きかけもお母さんによるものだと想像されます。)お母さんはその著者である山口大学講師の小島渉さんの連絡先を調べ、「息子がどうしても聞きたいことがあります。よかったら答えてくれませんか。」とメールを送り、その後メールのやりとりを行うきっかけをつくります。もう一人の支援者小島さんは、亮さんの疑問を大切にし、データ収集のアドバイスを送り、論文を共著しました。亮さんは「(小島さんから)『こうしたら面白い』と言ってくれ、自分も不思議だな、面白そうだなという気持ちで研究できた。」と振り返っています。この記事を読み、子どもを育てるのは、周囲の環境が大切であることを強く感じました。2人が亮さんの疑問を受け止め、一緒になって考えたり、楽しんだり、悩んだりしてくれなければ、亮さんの小さな好奇心は育たず、研究も長続きしなかったと思います。夏休み中の子どもたちは、いつもよりたくさんの自分の時間があります。その中で、様々なことを考え、好奇心の翼を広げることと思います。そんな小さな好奇心ややる気をしぼまさないような声かけ、働きかけをお願いしたいと思います。もちろん科学的なことだけではありません。ひょっとしたら、この夏に見つけた興味や関心がその後の人生を豊かにするかもしれません。
最後になりましたが、1学期間、新型コロナウイルス感染症の拡大や事故もなく、子どもたちが元気で無事に終業式を迎えることができたのも保護者の皆様、地域の方々の皆様のお陰です。本当にありがとうございました。